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5項以降にアラート関係の取扱いを追記しました。

1.コールが成されたと判断されるのは?

  従来は、コールされたとみなされる位置まで移動させたとか、そのような位置に保持したとか曖昧な表現が 含まれていましたが、ビッディングBOXから抜き出された場合その時点でコールされたと看做すと改定されました。

 つかみ間違いの場合を除き、言いなおしは認められませんから、抜き出したビッディングカードはそのまま出さねばならないと理解して下さい。

 以前から、ビッデイングBOXに手を出す前に考えを決めておかねばならず、一度伸ばした手を引っ込めるような行動は、不当な情報をパートナーに与えたと看做され、場合によっては調整対象と成る旨決められています。

ブリッジにおいては、ブレークテンポを始め不当な情報を発信しないよう努力して下さい。

2.STOPカードの意義


 私も長い間、常にSTOPカードを使わないスタイルでPLAYしていましたが、最近の経験からジャンプビッドをする時は常にSTOPカードを出す事を、強く推奨します。


 ジャンプビッドの直後若干の考慮時間が発生するのは当然ですが、この時間が、ヘジテーションと言われると、立場によりパスするまで間が有った、いや特別長いとは思わない、等と意見の食い違いがよく発生して気まずい思いをする事が有ります。
 

 まして、STOPカードを正しく使わずに、相手のビッドにヘジテーションが有ったと主張してもほとんどの場合STOPカードを使わなかった側に責任が有ると裁定されます。
 ジャンプを伴わないビッドには、極力一定したテンポでビッドし、考え込んでしまったらパスしない選択を優先する位で良いと思います。
 

 ヘジテーション後のパスが有っても、その事を利用しない判断によるビッドはやってよくパスに偏るのはそれも、問題です。

 但し、この場合のビッドが不当な情報を利用しているかどうかの判断は、実際に利用したかどうかとは無関係に、一般の多くのプレイヤーがそのビッドを選択すかどうかに関する他のエキスパートの判断で決定されます、貴方の日頃のスタイルが当然ビッドするスタイルだとしてもこの場合ほとんど考慮されないでしょう。

3.不十分なビッド 

 従来は同じスーツの充分なレベルに直す以外は、パートナーは終始パス等厳しい制約が発生しましたが、2年程前から制限無く言いなおしを認められるコールの範囲が拡大されました。


発生時勝手に自分達で処理しようとすると、この改定の恩恵を受けられなくなる可能性が有ります。


 すぐにディレクターを呼んで、選択の範囲を詳しく確認すべきです、ダブルへの言いなおしも認められるケースが有ります。


4.この後は最近の改訂とは異なりますが、注意して欲しい事を記します。


 何と言っても ”見えた” ”見えなかった” 等のディレクターにも判断出来ない事柄で双方の主張が食い違うほど、楽しむはずが、不愉快になってしまう事は有りません。
 

  こうした事故を避けるため、次の2点には特に注意しましょう。

 その1

 自分の前に並んだビッディングカードが多少曲がったり隙間が出来たりしていても自分のビッドの順番以外には手を触れないようにしましょう。


 パスの場合新たにもう1枚パスのカードを出さなければ成りません、前に置いたパスをこつんと指で叩いてパスの意思を示すのは正規な行動ではありません。


 それでも、オポーネントが貴方のタイミングの紛らわしい行動をパスの意思表示と誤解する恐れがあります、あわてて飛び越えてビッドするのを待っていたのなら別ですがトラブルは貴方が少し気をつければ防止出来たのです。

 その2

 アラートはそのアラートをオポーネントが見落としたり、気がつかなかった場合ルール上はオポーネントではなく貴方の責任となります。
 

  ではどうすれば良いのでしょう。


 *兎に角早くアラートする、貴方が1NTでオープンしたら、パートナーは3回に1回ぐらいアラートが必要なビッドをしそうな事が予想されます
  こんな時には自分のビッドを考えたりする前に、一刻も早くアラートしましょう。

 *アラートカードをヒラヒラさせていち早くしまってしまう人が多いのですが自分が次のビッドを終えるまでは、アラートカードを出しておく事を推奨します。

5.コンベンションの説明を求められ、説明を行ったがパートナーの説明が間違っている場合。

 *すぐに訂正する事は許されません。

 *オークションが終了して、オポーネントがディフェンス側に成った場合

すぐ説明の誤りを訂正しますが、トラブルが発生していますから、ディレクターを呼んで下さい。

 *オークションが終わって自分達がディフェンスの場合

プレイ終了後、デイレクターを呼んで説明の誤りが有った事を申告して下さい。

  確かに、説明の間違いで、その為に非反則側が損害を受けたと主張すれば、何らかのスコア調整が行われるかもしれません。


6.パートナーがアラートしなかった事から推察される情報の取り扱い。

  二人は同じシステム、コンベンションを使う事に成っている。スタイルの違いは有っても良いとされているが、アラートをしなくてもそれはアラートを忘れたのであって、アラートしない事で解釈の違いを伝えるもので有ってはならない。それを意図したかどうかは別で(意図したなら除名もの)約束に変更は無く、アラートを忘れたと解釈して進めるべき。
 例えば

  P-P-1S-P

 2C-P-2S    

 のように進み、ドゥルーリー2Cをパートナーがアラートしなかったとしても、貴方は2Sをアラートし、尋ねられたら、ライトオープンを示しますと説明するべきです。
 同じ理由で、アラートしなかったから本来の約束を忘れていると解釈するのは、不当な情報の利用と大多数の場合、裁定されるでしょう。
 もっとも、これらは非反則側がその事を直接の原因として損害を受けたと主張し、それが認められた場合調整が有り得る事を意味し、損害が無かったり、結果が悪くても反則と直結しない判断ミスによると判断された場合は、調整は行われません。


7.しばしば、説明の間違いか?ビッドの間違いか?でパートナー間でも言い分が違ったりします。


  この時、ディレクターは二人を別々に室外に連れ出す、等の努力をしながら裁定しますが、コンベンションカードの記載が不十分で有ったり、まして記載が無い、等の場合は、ほとんど説明の間違いと裁定される事を覚悟して下さい。
 コンベンションを使うには、コンベンションカードに正しく記載し、質問を受けたら、スラスラと明快に、思います等の推測情報を入れないで手短に答えられなければなりません。
 使う前に、説明の練習をしておいて下さい。